ザミオクルカスは、シンプルでスタイリッシュな樹形がインテリアに合わせやすく、人気が高まっている観葉植物です。
肉厚の葉はつやつやと光沢を持っており、ツバキの葉にも似ています。
地面から枝を立ち上げる姿には生命力もあり、見る人に活力を与えてくれます。
今回は、美しい葉を持っている観葉植物、ザミオクルカスについて、その魅力や特徴、育て方などについてご紹介していきます。
ザミオクルカスとは
原産地は、東アフリカやタンザニアのザンジバル諸島です。乾燥に強く多湿には弱いですが耐暑性にはやや強く、外気温が25度程度になると生育期に入ります。寒さには弱いです。
高さはおよそ30cm~60cmです。短く厚い地下茎を持っています。10~12枚の葉がつぼみのように閉じたまま伸びていき、いっせいに開くのが特徴です。葉は肉厚でつやがあり、光沢があります。水分がたくわえられており、ザミオクルカスの葉は91%が水分です。
ザミオクルカスの特徴 〜危険なポイント〜
開花時期は、9月~10月で、白い花をつけます。花が咲いた後には実をつけます。地中に塊根を作り、地中には子イモができることが特徴です。ただし、全草が有毒で口に入れることはできません。
ザミオクルカスのサトイモ科の樹液
サトイモ科に分類されている植物の樹液にはシュウ酸カルシウムが含まれています。そのため、体質によっては皮膚がかぶれてしまうことがあります。過度に心配する必要はありませんが、剪定や植え替えをするときはゴム手袋などをすると安心できると思います。
また、小さいお子様やペットがいるご家庭では誤って口にしないよう手の届かない場所に置いておいた方が事故の防止に繋がります。
ザミオクルカスの基本の育て方
ザミオクルカスの基本的な育て方は以下の通りです。
生育温度 | なるべく15℃以上。最低でも5℃以上を保つ |
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置き場所 | 直射日光の当たらない明るい場所。半日影でも〇。 |
水やり | 土の表面が乾いたらたっぷり与える。冬は控えめに。 |
肥料 | 液体肥料の場合:10日に1回程度与える。 固形肥料の場合:1~2か月に1度程度与える。 |
剪定 | 春~秋の成長期に混みあった部分を剪定する。 ※樹液に直接触れないように注意。 |
植え替え | 5~6月に一回り大きな鉢に植え替える。 |
増やし方 | 5~6月に「株分け」または「挿し木」で増やす。 |
元気がない時 | 「根腐れ」「葉焼け」「病気」「害虫被害」の可能性を考える。 |
以降ではさらに詳しく説明していきます。
ザミオクルカスの生育温度
ザミオクルカスは寒さに弱く、気温が5℃以下になると枯れてしまうことがあります。そのため、冬場は屋内に取り込んで温度管理をすることが重要です。窓辺に置く場合は、冷気や直射日光に当たらないように注意してください。
一方、ザミオクルカスは暑さにも弱く、夏場は半日陰で管理するようにします。直射日光を当てると葉焼けを起こしてしまいますので、レースのカーテン越し程度の日光を当てて下さい。
ザミオクルカスの生育適温は25度前後で、15度以下になると成長が緩慢になります。室内で育てる場合は、5℃以上15℃以下の環境を避けるようにしましょう。
ザミオクルカスの置き場所
ザミオクルカスは耐陰性があるため、置き場所を選ばず育てやすいですが、なるべく明るい場所で管理すると元気に育ちます。 しかし、真夏の直射日光には弱いため半日陰で管理してください。また、エアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所に移動してあげると良いでしょう。
ザミオクルカスの水やり
ザミオクルカスは気温が低くなると休眠するので季節や気温によって水やりのタイミングを変える必要があります。
気温が15℃以上の主に春〜秋の成長期では土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えましょう。また、ザミオクルカスは気温が15℃前後を切ってくると成長が緩慢になってきます。そのため、水をあまり必要としなくなるので、水やりの回数を減らします。具体的には、土が完全に乾燥してから水やりをしてください。
ザミオクルカスを乾燥させて樹液の濃度を高めることで耐寒性を上げる事が出来ます。
水やりの回数を減らしてザミオクルカスの葉が落ちてきたりするようならば水やりの回数を増やすなど調整してください。
ザミオクルカスの肥料
基本的に肥料は無くても良いのですが、与えた方が成長がはやくなります。
冬場の成長が緩慢になるときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので、春~秋の成長期に与えるようにします。
肥料の種類は適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えてください。
有機肥料ではなく、化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。
ザミオクルカスの剪定
古くなってきた葉や邪魔な葉などが、風通しを悪くしている場合は、思い切って剪定してしまうことをおすすめします。
綺麗に並んだ葉が特徴なので、葉軸にはできるだけハサミを入れません。ザミオクルカスを始めとしたサトイモ科の樹液には人体にあまり良くない成分が含まれており、触れてしまうと体質によっては皮膚がかぶれてしまうことがあります。そのため、グローブやゴム手袋などをして触れないようにしてください。また、触れてしまった場合は流水でよく流してください。
ザミオクルカスの植え替え
ザミオクルカスは植え替えをしないでいると鉢が根でパンパンになってしまい根詰まりを起こしてしまいます。
そのため、環境にもよりますが1~2年に1度1回り大きい鉢に植え替えをする必要があります。水はけの良い土を使って植え替え、鉢底にはしっかりと鉢底石を入れてください。植え替え時期は5~6月頃が最適です。
ザミオクルカスの増やし方
ザミオクルカスは、水挿し、挿し木、葉挿し、株分けの4つの方法で増やすことができます。
水挿しは、茎の一部を切り取って水に浸ける方法です。水を定期的に入れ替えて発根させたら、土に植え替えます。
挿し木は、5~6月の生育期に茎の一部を切り取ってそのまま土に挿す方法です。水挿しよりも早く根が張りますが、常に用土が湿っている状態になるよう注意が必要です。
葉挿しは、葉の付け根を切り取って水に浸けるか土に埋める方法です。発根に時間がかかりますが、葉一枚で増やすことができます。
株分けは、株を引き抜いてイモ状の根を分ける方法です。成長した株を分割して増やすことができます。株分けは植え替えのタイミングで行うのがおすすめです。
ザミオクルカスの元気がない時は
以下のような要因が考えられます。
- 根腐れ
- 葉焼け
- 害虫被害
根腐れ
ザミオクルカスを含めて、観葉植物の多くは水のあげすぎに注意が必要です。
水をあげすぎると、根腐れを起こして枯れてしまいます。
葉焼け
ザミオクルカスに長時間、直射日光を当てると、葉焼けを起こす可能性があります。
特に真夏の日差しは強いので、屋内でレースカーテン越しに管理をしましょう。
害虫被害
ザミオクルカスは強い植物ですが、害虫に気をつける必要があります。
ハダニやカイガラムシが付着すると、葉っぱが枯れたりしてザミオクルカスに不具合が出ます。
そのため、もし虫が付着した際には、ホームセンターなどで害虫スプレーを購入して散布しましょう。
まとめ
今回はザミオクルカスの魅力や育て方についてご紹介してきました。
丈夫に育ちやすいザミオクルカスは、決してお世話が難しい品種ではありませんので、まだ観葉植物を育てるのに不慣れな方でもチャレンジしやすい植物です。
しかしザミオクルカスの樹液には少し注意が必要みたいですね。
美しい葉や樹形を楽しみながら、ザミオクルカスを元気に育てていってくださいね。
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