個性的な形のウツボカズラ。
ウツボカズラといえばその捕虫袋。
そんな捕虫袋にも様々な形や大きさがあるみたいです。
そこで今回は、ウツボカズラの特徴や育て方を中心にご紹介していきます。
ウツボカズラとは
ウツボカズラは、別名ネペンテスといい、ウツボカズラ科・ウツボカズラ属のつる性の植物です。つるは長いものでは15mにもなり、樹木などに絡まって成長します。
ボルネオなど赤道近くの東南アジアを中心として、ニューカレドニア、北オーストラリア、マダガスカルなどに分布するつる性の食虫植物です。高温多湿で日の射し込むジャングル周辺、冷涼で夜間は霧で被われる高山などに自生します。
株が成長すると、地味でちいさな花を穂状に咲かせます。花には雄花と雌花があり、別々の株に咲きます。葉の真ん中を縦に走る脈(中肋)が長く伸び、その先端がつぼのようにふくらんで捕虫袋になり、そこに落ちた虫は消化されて栄養になります。
それぞれが個性的な捕虫袋を持っており、その形や大きさは様々です。
ウツボカズラの特徴
ウツボカズラの特徴は、つぼ型の捕虫袋を持つ食虫植物ということです。
つる性で樹木などに絡まって成長し、捕虫袋の蜜線から漂う甘い香りで虫を引き寄せ、捕虫袋内に落とし消化液で分解吸収する性質があります。
寒さに弱い性質があるので、枯らさずに育て続けるためには冬の管理がポイントです。
品種によって捕虫袋の形や色が違うため、個性的なインテリアとしても人気です。
ウツボカズラの育て方
ウツボカズラの基本の育て方は以下の通りです。
生育温度 | 最低15℃以上。25℃付近が最適。 |
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置き場所 | 暖かく日当たりの良い場所。湿度高めが◎。 |
水やり | 土が乾いてからたっぷりと。冬場は葉水も忘れずに。 |
肥料 | 生育期の5月〜10月の間、3ヶ月に1度、非常に薄い肥料を与える。 |
剪定方法 | 5月〜10月に傷んだ枝葉や捕虫袋を剪定する。 |
以下でそれぞれについて詳しく解説します。
ウツボカズラの生育温度
ウツボカズラは寒さに弱い性質があるので最低15℃以上を保って育てるようにしましょう。
15℃〜35℃うち25℃前後が快適です。
冬の寒い時期は特に窓際付近は屋外と同じくらい冷え込むので窓際から離した明るい場所に置いて育てましょう。
ウツボカズラの置き場所・日当たり
ウツボカズラは熱帯植物なので、温かくて湿度の高い環境を好みます。湿度50℃以上を保つことが理想です。 しかし、直射日光には弱いので、真夏の強い日差しを避ける必要があります。 以下のように、季節によって日当たりや置き場所を変えるとよいでしょう。
春・夏・秋
気温が20度以上になる戸外で育てます。 半日陰か、午前中だけ日光に当てる場所が適しています。 真夏は50%の遮光ネットを使うか、明るい日陰に移動します。
冬
気温が15度以下になると生育が停止し、10度以下になると枯れる危険があります。 室内に取り込んで、できるだけガラス越しの日光に当てます。暖房器具の近くや乾燥した場所は避けます。
ウツボカズラは空中湿度も重要です。 年間を通してこまめに葉水を与えたり、水鉢や加湿器を置いたりして湿度を高めましょう。 また、風通しの良い場所に置くことで、病気や害虫の予防にもなります。
ウツボカズラの水やり
ウツボカズラの水やりは鉢の表土が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えるのが基本です。しかし、ウツボカズラに水やりをした後は、受け皿に溜まった水をこまめに捨てることが重要です。季節ごとに鉢の表土の状態を見ながら調整して水やりをしてあげましょう。
また、ウツボカズラは多湿を好みます。
ウツボカズラの肥料
ウツボカズラに肥料を与える際は、生育期の5月〜10月の間、3ヶ月に1度、非常に薄い肥料を与えるくらいで大丈夫です。
肥料の与えすぎや、夏の暑い日に濃い肥料を与えたりすると枯れる原因になるので気をつけましょう。
ウツボカズラの剪定方法
ウツボカズラの剪定適期は5月〜10月です。
傷んだり枯れたりした枝葉や捕虫袋を剪定します。
茎が伸びすぎると捕虫袋ができにくくなることもあるので注意して剪定しましょう。
ウツボカズラについてよくある質問
ウツボカズラについてよくある疑問にお答えします。
ウツボカズラに虫は必要?
食虫植物なので虫が必要だと勘違いされる方もいるかと思いますが、必要ありません。
水と光さえあれば十分に育ちます。また、捕虫袋に自然と虫が入ることは良いのですが、捕虫袋に自ら虫を入れる行為は植物の生育に悪影響をもたらすのでやめましょう。
ウツボカズラに花が咲かないのはなぜ?
品種にもよりますが、ウツボカズラは黄色や白の1㎝ほどの花を房状に咲かせます。開花時期は梅雨明け頃ですが、ウツボカズラの花を見ることは難しいです。
その理由は、ウツボカズラが自家受粉をしないからです。ウツボカズラには雄株と雌株があり、成長した雄株と雌株がそろっていると開花することがあります。
ウツボカズラの花を見てみたいという方は、雄株と雌株を揃えて大きく育てると、見られるかもしれません。
ウツボカズラの捕虫袋がつかないのはなぜ?
ウツボカズラの捕虫袋がつかない時は、日当たり・温度・湿度を見直し、剪定してみましょう。
POINTその1
ウツボカズラは日当たりの良い場所を好みます。暗い場所では生育が悪くなり、捕虫袋もつきにくくなるので、強い株を育てるためには、直射日光に当たる場所、置き日当たりのいい場所に移動しましょう。
POINTその2
ウツボカズラの生育適温は15〜35℃です。温度が低い場所では捕虫袋をつけられません。冬もなるべく暖かい所に置いてあげましょう。
POINTその3
ウツボカズラは高温多湿を好むため、冬でも湿度50%以上を保たないと袋がつきづらくなります。こまめに葉水をしてあげるといいでしょう。
POINTその4
つるの伸びすぎも捕虫袋が付きにくくなる原因です。捕虫袋ができなかったり、形の悪い袋しかつかない場合は、つるが伸びすぎている可能性があるので、5月~10月の生育期に剪定をしましょう。
形がきれいな袋は根元の新しい葉にしかつきません。根元から4,5節のところで剪定し、傷んでいるつるや葉も取り除いておくと、ふっくらとした捕虫袋がつきやすくなります。
まとめ
個性的な特徴が人気なウツボカズラ。
育て方のPOINTをしっかりと抑えれば、初心者の方でも十分に育てられる植物です。
また品種によっても捕虫袋の形や色が違うため、自分だけの個性的なインテリアとして育てるのも良いですね。
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