つやつやと光沢のある明るい緑色の大きな葉っぱを、放射状に広げた姿が印象的なアスプレニウム
暑さには強いものの寒さに弱いため、基本的には室内用の観葉植物として育てるのが一般的です。今回はそんなアスプレニウムの育て方や注意すべきPOINTをいくつかご紹介します。
アスプレニウムとは
[voice icon=”http://green-mania.net/wp-content/uploads/2022/12/icon.png” name=”編集部” type=”l”] アスプレニウムは、熱帯から亜熱帯地域に自生するシダ植物だよ[/voice]
東南アジアを中心に、世界中に約700種が存在し、日本では伊豆諸島や沖縄などで多く見られます。
現地では、岩の上や樹木に着生していることが多く、茎の中心から葉を放射状に広げる姿がとてもダイナミックな印象を与えます。「オオタニワタリ」という品種をご存知の方も多いかもしれません。
5㎝ほどの小さなものから、1.5mを超える大きな品種まで様々あり、耐陰性もあるため室内でも問題なく育てられます。
花が咲くことはなく、ツヤのある美しい緑の葉を楽しむ観賞用の植物です。
アスプレニウムの種類
- アスプレニウム・コブラ
葉全体が大きく波打ち、肉厚で光沢のある姿が特徴の品種です。葉の長さは40〜60㎝ほどで、日本に自生する「タニワタリ」の園芸品種となります。とても丈夫で、寒さや日陰にも強く、初めてでも育てやすいアスプレニウムです。 - アスプレニウム・エメラルドウェーブ
エメラルドウェーブという名前の通り、ウェーブした葉が特徴的な品種です。他の品種よりも葉の色が淡く、太陽の光を当てると美しさがさらに際立ちます。苔玉にして吊るして楽しむこともできるアスプレニウムです。 - アスプレニウム・クリーシー
葉の先端にたくさんの切れ込みが入った個性的なアスプレニウムです。他の品種よりも耐寒性に優れ、3℃ほどまでなら耐えられます。ライトグリーンの明るい葉が、お部屋の雰囲気を明るくしてくれるでしょう。
アスプレニウムの育て方
アスプレニウムの生育温度
エアコンの風が直接当たったり、窓際の冷気が当たらない場所に置きましょう。また、寒さに耐えられる温度は品種によって違いますが、5℃程度のものが多いです。できれば7℃以上を保つようにしましょう。
アスプレニウムの置き場所
アスプレニウムは、直射日光が苦手で葉焼けを起こしやすいです。屋外では一日を通して明るい日陰に置き、室内ではレースカーテン越しなど半日影に置くと良いでしょう。
耐陰性はあるものの、明るさが足りないと間延びしたり、葉のツヤがなくなったりします。本来の鮮やかでツヤのある葉を楽しむには、ある程度の日差しも大切です。
アスプレニウムの水やり
アスプレニウムは湿った環境を好みますが、根腐れを起こしやすく、水の与えすぎには注意が必要です。
春から秋の成長期は、土の表面が乾きはじめたら鉢底から流れ出るくらい、たっぷり水やりをします。夏場は乾燥しやすいので毎日与えても良いです。
冬は成長が緩やかになるので、水やりの回数を減らし、土の表面が乾いてから2〜3日後に水やりをします。乾燥気味に育てた方が寒さに強くなります。
葉水は一年を通して行ってください。近くに霧吹きを置いて、気づいたら葉水するくらい頻繁に行っても大丈夫です。
一般的な植物の水やりは、葉に水がかからないようにしますが、アスプレニウムの場合は、葉にも水をたくさんかけてあげた方がよく育ちます。特に株の中心にある成長点は、常に湿った状態にするとキレイな新芽を出してくれます。
アスプレニウムの肥料
春から秋の成長期には、新芽をたくさん出して旺盛に成長するので、肥料を与えると良いでしょう。
2ヶ月に1回ほど固形の緩効性肥料を与えるか、10日に1回ほど薄めた液体肥料を与えます。冬は休眠期で肥料は必要ありません。
なお、コバエの発生を防ぐために、有機肥料ではなく化成肥料を使うのがおすすめです。
アスプレニウムが枯れる原因と抑えるべきPOINT3
POINT1 ナメクジによる害虫被害
ナメクジは新芽を食べて葉に穴をあけてしまう害虫で、見つけ次第取り除くか、ナメクジ専用の殺虫剤で退治します。
4月〜6月と9月〜10月の湿気が多い時期に発生しやすいため、特に注意深く観察しましょう。また、ナメクジには寄生虫がいる可能性があるので、取り除く時は必ず割りばしを使ってください。
POINT2 炭疽病
アスプレニウムは「炭疽病」にかかることがあります。炭疽病はカビを原因とする伝染病で、葉に茶色や灰色の斑点が現れ、最終的には穴が空いてしまいます。
高温多湿の時期に発生しやすく、感染力が強いため、発病した葉はすぐに取り除いてください。炭疽病に有効な殺菌剤を使用しても良いです。風通しと日当たりの良い環境に置くことでも予防できます。
POINT3 乾燥
アスプレニウムは高湿度を好むシダ植物です。 空気があまりにも乾燥していると、葉先が茶色く枯れ込むことがあります。 室内の空気が乾燥している場合は加湿器を使ったり、葉水を行うことで空中湿度を高められます。
まとめ
アスプレニウムはシダ植物の中でもグリーンが鮮やかでインテリアにもなじみやすく、育てやすい植物になります。乾燥に気をつけて葉水を与えながら育てることで人の暮らしにも潤いをもたらし、癒しの空間作りに一役買ってくれます。この機会にぜひアスプレニウムを育ててみてはいかがでしょうか。
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