アストロフィツムはメキシコ原産のサボテンで、星のような白い斑点が特徴です。
美しい花を咲かせたり、さまざまな種類をコレクションしたりする楽しみがあります。しかし、その魅力を引き出すには、適切な育て方が必要です。
この記事では、アストロフィツムの基本的な育て方について解説します。置き場所や日当たり、水やりや肥料、植え替えや増やし方など、アストロフィツムの栽培に関するポイントを紹介します。
アストロフィツムの魅力にふれながら、楽しく育てる方法を学んでいきましょう。
アストロフィツムの魅力
アストロフィツムは、メキシコが原産のサボテン科の植物です。そんなアストロフィツムの魅力をいくつかご紹介します。
独特な形や斑点
アストロフィツムは球体や円柱状の幹に、白い斑点が浮かんでいる独特の株姿をしています。斑点が星のようにみえることから別名「有星類」とも呼ばれます。
黄色系のかわいらしい花が咲く
アストロフィツムは美しい花を咲かせることもあります。花色は黄色系が基本ですが、愛好家の手によってさまざまな園芸品種が作られており、白い斑(ふ)が入ったものや、赤花などもあります。
ただし、花を咲かせるには少しコツがいります。育てるだけならそれほど難易度の高くないアストロフィツムですが、花を咲かせるとなると経験や知識が必要となるのです。開花を目指して挑戦するのもアストロフィツム栽培の1つの楽しみ方といえるでしょう。
コレクションする楽しみ
アストロフィツムはサボテンの中でも特に多様性が高く、さまざまな種類や品種があります。 そのため、コレクションする楽しみがあります。
特に日本でも古くから親しまれている「兜丸(かぶとまる)」や「鸞鳳玉(らんぽうぎょく)」からはたくさんの派生種が作られており、コレクターの間でも人気です。
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アストロフィツムの育て方
アストロフィツムの基本的な育て方について解説します。
置き場所・日当たり
アストロフィツムは太陽光と高めの気温を好みます。さらに、昼と夜とで温度差があると締まった綺麗な株に育ちます。
しかし、あまりに強い太陽光だと日焼けを起こす場合がありますので、真夏は遮光ネットなどで直射日光を避けるか、半日影の場所に置くとよいでしょう。
冬場は最低温度が5℃以上になるように管理し、霜や雪が降らないように注意してください。室内や温室などに移す場合は、風通しを確保してカビや根腐れを防ぐように気を付けましょう。
風通しが悪いと白い斑点が茶色くなってしまったり、根腐れを起こしてしまったりすることも。美しく健康に育てるためにも、風通しをしっかり確保してあげましょう。
室内で風通しを確保するには、窓を開けておくほか、サーキュレーターなどを使うのもおすすめです。
水やり
アストロフィツムは乾燥した環境に適応したサボテンなので、水やりは控えめにすることが基本です。
アストロフィツムの水やりのタイミングは、鉢土が完全に乾いてから、さらに数日待ってから行います。鉢土の乾き具合は指で触って確認するか、鉢の重さで判断するとよいです。
ただし、水をやるときは鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。その後、余分な水は鉢皿から捨ててください。
アストロフィツムの水やりの頻度は、季節や気温によって変わります。具体的には、以下のようにします。
春(4~5月)と秋(10~11月)
生育期であるため、鉢土が乾いたら数日経ってから水やりをします。
夏(6~9月)
高温多湿で腐りやすいため、水やりを控えめにします。梅雨時は特に注意してください。
冬(12~3月)
休眠期であるため、水やりをほとんどしません。ただし、株がへこんだりしわだったりする場合は、暖かい日中に霧吹きで葉水を与えます。
土の乾き具合を確かめるには水やりチェッカーを使うのもおすすめです。
肥料
アストロフィツムに与える肥料は、他の植物よりも控えめでOKです。アストロフィツムは肥料に対して敏感なので、与えすぎると根腐れや白点の色あせなどのトラブルが起こりやいため、注意してください。
生育期(4~6月と9~10月)の間は月に1回程度、液体肥料を薄めたものを与えます。肥料は株に直接かけず、水やりと一緒に鉢底から流れるまで与えましょう。休眠期(11~3月)は肥料は与えません。
また、植え付けや植え替えのタイミングで、緩効性肥料(ゆっくり効く肥料)を混ぜておくと、長期間にわたって栄養を補給できます。
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植え替え
アストロフィツムの植え替えは、植物の成長や根の状態にもよりますが、春から夏にかけて生育期に入る前に、1〜2年に1回程度の頻度で植え替えるとよいでしょう。植え替えのタイミングは以下のようなポイントを参考にしてください。
▼植え替えが必要なとき
〇鉢が小さくなって根が鉢底からはみ出している場合
→ 根詰まりを防ぐために大きめの鉢に植え替えます。
〇鉢が大きすぎて根が鉢内で十分に張っていない場合
→ 水やりの管理が難しくなるため、小さめの鉢に植え替えます。
〇鉢土が古くなって固まっている場合
→ 水やりや通気性が悪くなるため、新しい土に入れ替えます。
〇鉢土がカビや虫などで汚れている場合
→ 病気や害虫の予防のため、清潔な土に入れ替えます。
植え替えの方法は以下のように行います。
▼植え替えの方法
①植え替える前日に水やりをしておきます。
これは根を柔らかくして傷つきにくくするためです。
植物を鉢から抜き取ります。このとき、根を傷めないように注意します。
②古い土を根から取り除きます。
このとき、傷んだ根や枯れた根は切り取ります。
③新しい鉢に適量の土を入れて底を整えます。
このとき、鉢底石や排水材を敷くと水はけが良くなります。
④植物を中央に置き、周囲に土を詰めて固定します。
このとき、根元が深く埋まらないように注意します。
⑤水やりはしばらく控えておきます。
これは根が傷ついている可能性があるためです。乾燥したら少量ずつ与えます。
植え替える土は赤玉土などが混ぜ込まれた排水性のよい土がおすすめです。
増やし方
アストロフィツムの増やし方については、主に種まきで行うことができます。種まきは3~8月頃が適期で、以下のような手順で行います。
▼種まき~生育の方法
①種は市販のものや自分で採取したものを使います。
採取した場合は乾燥させてから保存します。
②播種用の土はサボテン用の土に赤玉土や軽石などを混ぜたものを使います。
鉢は浅めのものが良く、底に排水材を敷きます。
③土を鉢に入れて平らにし、水をかけて湿らせます。
その上に種をまき、軽く押さえて埋め込みます。種と種の間隔は1cm程度あけます。
④鉢にビニール袋や透明なプラスチック容器などをかぶせて密閉します。
これは乾燥を防ぐためです。
⑤鉢を日陰や半日陰に置き、温度は20~30℃程度に保ちます。
直射日光は避けます。
⑥毎日鉢の中を確認し、カビや虫が発生していないかチェックします。
発生した場合は除去します。
⑦種が発芽するまでは水やりは必要ありません。
発芽すると小さな球体が見えてきます。発芽率は種の新鮮さや品種によって異なりますが、約1~2週間程度で発芽します。
⑧発芽したらビニール袋や容器を外し、徐々に日光に慣らしていきます。
最初は1日数時間だけ日光に当て、徐々に時間を延ばしていきます。
⑨水やりは土が乾いたらこまめに与えます。
土がカラカラにならないように注意します。株が小さいうちは簡単に干からびてしまうことがあります。
⑩1年目の幼苗はとても乾燥に弱いので、親株よりも頻繁に水を与えます。
夏でも冬でも土が乾いたらこまめに与えるようにします。
1年目を過ぎるまでは上記の方法で管理をしましょう。
2年目以降は親株と同じような管理方法で育てることができます。
まとめ
この記事では、アストロフィツムの魅力と育て方について紹介しました。
アストロフィツムは独特な形や斑点、かわいらしい花、多様な種類などが魅力ですが、その魅力を引き出すには、適切な育て方が必要です。
この記事でご紹介した置き場所や日当たり、水やりや肥料についてのポイントを意識して、アストロフィツムの栽培を楽しんでいただけると幸いです。
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