ゲッケイジュの葉は乾燥するとローリエになります。
そんなゲッケイジュは、ハーブの一種でその葉からは独特な香りがします。
なので、料理では肉や魚の匂い消しに使われることもあり、日常の家庭栽培に取り入れたくなる植物の1つですね。
今回はゲッケイジュの育て方と収穫について詳しくご紹介します。
ゲッケイジュとは
ゲッケイジュとは、クスノキ科ゲッケイジュ属の常緑高木です。英語名からローレルとも呼ばれています。葉に芳香があり古代から用いられ、乾燥した葉は香辛料ローリエになり、葉と小枝は丸く編んだ月桂冠がよく知られています。 樹木に関心のない方にもローリエやローレルの名前でよく知られています。
原産は地中海沿岸地域といわれ、地中海沿岸地域に広く分布しますが寒さによく耐えることからヨーロッパ、イギリス、アメリカなどに広く伝えられました。
ゲッケイジュの特徴
ゲッケイジュは雌雄異株の常緑高木です。ゲッケイジュの葉を乾燥させて、カレーや煮込み料理などに使われます。
丈夫な植物で、半日陰や日陰でも大丈夫ですが、斑入りの園芸種は日当たりが悪い場所では斑がきれいに出なくなる場合があります。
日本では雌株は少なく、大半がさし木でふやされた雄株です。耐暑性があり、生育も旺盛で芽吹きもよいため、生け垣や刈り込みによる仕立て物をつくるのにも適しています。
ゲッケイジュの育て方
ゲッケイジュの生育温度
ゲッケイジュの生育温度は20〜30℃前後が適温です。
耐寒性はありますが、もともと暖かい地域の樹種なので、-8℃くらいをめどに防寒し、冬の寒風が当たらないように注意します。
ゲッケイジュの置き場所
ゲッケイジュは日のよく当たる、水はけのよい場所を好みます。 水はけがよければ、明るい日陰の場所でも育ちます。 地中海沿岸が原産の植物ですが、耐寒性もややあります。
また、水はけのよい有機物の多い土を好みますが、耐暑性、乾燥に強く、丈夫なため、あまり土質は選びません。
ゲッケイジュの水やり
ゲッケイジュの水やりは、土の表面が乾いてきたら行うようにしましょう。 基本的に1日1回か、2日に1回程度行いますが、土の乾燥は天候や気温、植物の生育状況などによって変わるので、様子を見て水やりをしてください。特に庭植えで植え付けて2年未満の株は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。庭植えで植えつけて2年以上たつ株は、そこまで神経質に水やりを行う必要はありません。
ですが水分が不足すると、葉は枝の根元部分から徐々に黄色くなり、植物全体もしおれてきます。 植物の葉は水不足のため黄変しているところです。 一番古い葉が最初に黄色に変わります。 葉は縁から中央に向かって黄色になります。
ゲッケイジュの肥料
鉢植えの場合は、植えつけのときに、緩効性肥料を施しておきましょう。植えつけた後は、8月頃と2月頃の年に2回緩効性肥料を与えます。
地植えの場合、植えつける前に、緩効性肥料を土に混ぜこんでおきます。植えつけ後は、寒肥として2月頃に有機肥料をまきましょう。
ゲッケイジュの剪定
ゲッケイジュは、剪定しないと、どんどん成長して背丈が高くなっていきます。真冬以外ならいつでも剪定できるので、育てる場所に合わせて定期的に剪定しましょう。
ベランダで栽培している場合、あまり高くなると風にあおられたり、管理が大変になったりします。ベランダの手すりを超えない、110cmくらいの高さになるよう、こまめに剪定しましょう。6月ごろに出てくる新芽を切ると、成長を止められます。
ゲッケイジュの枝は太いため、剪定用のはさみがあると便利です。重なった枝や、弱った枝を中心に切り落として、高さを揃えましょう。切りすぎた場合でもすぐに伸びるので、自由に切り落としても問題ありません。
葉を乾燥させて、料理に使ってもよいでしょう。
ゲッケイジュの葉の収穫時期・方法
ゲッケイジュの葉は、常緑樹なのでいつでも収穫できます。葉を乾燥させて使う場合は、植えつけから1年ほど経過した、緑色の濃い、厚みがある葉を選びましょう。葉を1枚ずつとって収穫していきます。
ただし、4月~5月は、ゲッケイジュの新しい葉が出てくる季節です。若い葉は乾燥させると黒くなるため、スパイスとして使うには適していません。
ゲッケイジュの病害虫
- カイガラムシ
ゲッケイジュの気をつけたい害虫は、カイガラムシです。幹などに発生し、ゲッケイジュの成長にも悪影響を及ぼします。カイガラムシが出す、甘い排泄物によって菌があつまるため、すす病をひきおこす原因にもなります。
5月頃にカイガラムシの幼虫がふ化しますので、見つけた幼虫は薬剤で駆除しましょう。冬の間に、成虫を見つけたら駆除しておくことで、春の幼虫の発生を抑えられます。
- すす病
ゲッケイジュで注意したい病気は、すす病です。葉の表面に、すすがついたような汚れがつき、葉がカビでおおわれてしまいます。原因は、カイガラムシやアブラムシなど、吸汁性害虫のフンです。
すす病をみつけたら、カイガラムシなどの害虫がいる可能性があります。念入りにチェックして、見つけたらなるべく早めに駆除しましょう。
ゲッケイジュを小さいまま育てるには?
地植えのゲッケイジュは放っておくと10m程度の大きさまで成長します。そこまで大きくなると困る場合には、定期的な剪定をしてあげるようにしましょう。
ちなみに、剪定はサイズを小さく保つ以外の目的でも重要です。枝葉が伸びて密集すると、風通しが悪くなって病害虫の被害を受けやすくなったり、暖かい季節にはハチに巣を作られてしまう危険も上がってしまいます。
「コンパクトサイズを保つ」「病害虫やハチの被害を防ぐ」ために年に2回を目安に剪定を行ってあげてください。
剪定の時期は冬以外であれば基本的にいつでも大丈夫です。春と秋に1回ずつの剪定をおすすめします。
では、剪定の具体的なやり方です。
①枯れた枝や密集した部分を切り取る
剪定ばさみや手の具合を使って、枯れた枝や密集した部分を中心に切り取ります。これにより、樹木の形を整え、風通しを良くします。
②徒長枝(とちょうし)を剪定する
長く間延びした徒長枝を見つけて、その根元から切り落とします。これにより、全体のバランスを調整し、綺麗な樹形を保ちます。
③内側の枝を整理する
樹木の内側に伸びている枝を注意深く見つけて、必要のない枝を剪定します。これにより、樹木の内部に光が差し込み、日照不足による枯れ枝を減らすことができます。
④切り口を処理する
剪定した枝の切り口から雑菌が入るのを防ぐため、傷口の処理をしてあげると安心です。適切な切り口処理剤を使用するか、木工用ボンドなどでも代用ができます。
まとめ
比較的暑さにも寒さにも強い植物です。発育がよいため、初心者でも育てやすいでしょう。育て方のコツをおさえれば、大きくなりすぎないのでベランダでも育てられます。収穫した葉は、乾燥させて長期保存ができるので、煮込み料理などにいつでも使えて重宝するでしょう。
この記事を参考に、ぜひゲッケイジュの栽培にチャレンジしてみてください。
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