ハンバーグなどの洋食に彩りを添えるパセリは、その独特の苦みから「食べ物」としては敬遠されがちですが、実は飾りとしての役割だけではなく、栄養価が高い野菜なんです。また、初心者向けの育てやすい丈夫な野菜なので是非チャレンジしてみましょう。
パセリとは
パセリは地中海沿岸が原産とされるセリ科の植物で、標準和名ではオランダセリと呼ばれています。 ヨーロッパで一般的な平たい葉の形をしたイタリアンパセリに対し、日本ではこの縮れ葉タイプが一般的です。 葉が縮れていることからカーリーパセリとも呼ばれています。 この縮れは、品種改良によるものとされています。
パセリの特徴
食材としての旬は冬で、葉の緑色が濃くて、みずみずしいものが良品とされています。日本では葉が縮れたパセリが一般的ですが、ヨーロッパでは葉が平たくて縮れていない同属別種のイタリアンパセリを使うことが主流です。
日本では主に葉を料理の付け合わせや飾りとして使われますが、他にもそのまま食用としたり、香りづけに用いたり、におい消し、飲用など多種多様の形で利用されています。また、パセリは精油成分を多く含むハーブの1つでもあり、パセリは油分を中和する働きがあるとされていますが、分解はされずそのまま吸収されます。 爽やかな独特の風味が特徴です。
パセリの栄養
鉄分
鉄が不足すると鉄欠乏性貧血をひきおこします。ですがパセリにはほうれん草の4倍もの鉄分が含まれているそうです。
カリウム
カリウムは体内の塩分を、尿とともに排出してくれる作用があるとされています。そのため、塩分のとりすぎが原因のひとつでもある高血圧の予防に役立つとされています。
また女性に多いむくみの症状。カリウムの作用で塩分を尿とともに排出することによって、むくみの予防に効果があるそうです。
ビタミンK
ビタミンKはカルシウムを骨に定着させる作用があり、丈夫な骨の形成にも不可欠な栄養素とされています。またビタミンKには血液を固めるはたらきがあり、不足すると出血が止まりにくくなる、などの症状がでるそうです。
ビタミンC
ビタミンCは、ストレス解消にも欠かせない栄養素であるといわれます。抗ストレスホルモンであるアドレナリンをつくりだすのに、ビタミンCが大量に必要であるためです。老化や成人病、ストレス。現代人がかかえる問題の予防に、ビタミンCは欠かすことのできない栄養素なのですね。
βカロテン
パセリにはβカロテンも豊富に含まれます。
また体内に取りこまれたβカロテンは、一部はそのまま吸収されますが、必要な量のみビタミンAへと変わります。
ビタミンAは、肌や粘膜をすこやかに保ち、免疫力を高める効果があるとされます。疲れや乾燥から目を守り、暗いところで目が見えにくくなる夜盲症の予防にも役立つといわれています。
アピオール(精油成分)
パセリの独特のさわやかさをもつ香りは、アビオールという精油成分によるものです。
アビオールは、腸内の有害細菌の繁殖をおさえ、食中毒の予防に有効とされます。胃液の分泌をうながし、食欲増進の効果もあるそうです。口臭予防に有効な成分も含んでいるため、食後に食べるとよいそうです。
パセリの育て方
種まきの仕方・苗の植え付け
4~10月の間で15℃〜20℃の気温が上がる前に種まきを行います。パセリの生育が活発で、元気に発芽しやすい時期です。
日当たり
日当たりが良く、風の通りも良い場所に置くと元気に育ちます。たっぷりと日光に当てると葉の色も濃い緑になり、香りの強さも増すのでおすすめです。半日陰に置くと葉の色は少し薄く柔らかい食感になります。
水のやり方
土の表面が乾いたと感じた段階で、鉢の底から水があふれ出るほどにたっぷりと水を与えましょう。
梅雨明け直後などの乾燥しやすい時期は苦手なので水やりの回数を増やして調整すると良いでしょう。乾燥すると下葉が黄色くなってきます。
湿気は好まないため、真夏の水やりには少しコツが要ります。昼間の気温が高い時間は避け、できるだけ涼しい時間を選ぶよう意識してくださいね。
肥料のあげ方
生育期間が長いので、定期的に追肥すると次々と茎葉が立ち上がります。パセリを含むハーブ類は、肥料を与えすぎると葉が固くなります。肥料の与えすぎに注意してください。
収穫方法
パセリが大きく育てば、いよいよお楽しみの収穫です。パセリは葉っぱが15枚を超えてきたあとは、いつでも収穫できます。
収穫は簡単で、園芸ハサミを使って、必要な枚数だけ外側から葉っぱを切り取るのみです。
まとめ
パセリは乾燥に弱いため、水分不足になると枯れてしまう可能性があると言われています。
また、日当たりが良い場所を好むパセリですが、あえてそれほど日の当たらない場所で育てて、優しい風味のパセリに仕立て上げるなんてこともできたり・・・
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