香り高いハーブとしてよく知られている人気なカモミール。
今回はそんな人気なカモミールの日々の育て方やカモミールの採取するタイミングまでご紹介します。
カモミールとは
カモミールと呼ばれ、ハーブとして親しまれているものにはジャーマン・カモミールとローマン・カモミールの2種があります。
花や葉姿、性質はどちらとも似ていますが、属が異なり分類上はまったく別の植物です。見分け方の一つとして、花を縦半分に切って、中心に空洞があるのがジャーマン種、ない方がローマン種です。
ジャーマン種の特徴
ジャーマン種は花後に枯れるキク科シカギク属の1種の耐寒性一年草です。日本へはオランダ医学の薬として、江戸時代に入ってきました。鎮静、消化促進・発汗作用などがあり、ヨーロッパでは古くから民間薬として親しまれています。和名はカツミレと言います。ロシアでは国花となっています。
草丈は60cm~90cm、葉は細かく切れ込んで繊細な雰囲気があります。春に白い花びらをもつ一重のキクのような花を咲かせます。中心の黄色い部分は、咲き進んでいくと盛り上がっていきます。花にはりんごのような甘い香りがあり、摘み取って乾燥させたものを生薬やハーブティー、入浴剤として利用します。味には好みがありますが、ハーブティーの中では最も飲みやすい部類に入ると思います。名前の由来は、カモミールの語源は古代ギリシア語で、「大地のりんご」を意味する「カマイメロン」に由来します。和名のカミツレはオランダ語での呼び名、カミルレからきています。
ローマン種の特徴
ローマン種は毎年花を咲かせる多年草で、和名はローマカミツレです。学名から、アンセミスとも呼ばれます。
茎は這うように伸びていき、ひょろりとした花茎を伸ばして先端に花を咲かせます。花だけでなく、葉も甘い芳香を放ちます。主な開花期は夏です。
ハーブティーはやや苦みがありカモミールに比べると飲みにくいです。神経を鎮める作用のあるカマズレンがジャーマン種より多く含まれ、不眠やストレス解消に効果があるとされます。
園芸品種に八重咲きのダブルフラワー・カモミールと芝生として用いるノンフラワー・カモミールがあります。
カモミールの育て方
カモミールの置き場所
カモミールは日当たりがよく風通し、水はけの良い場所を好みます。
ただ、カモミールは耐暑性がないので、真夏の暑さには気をつけましょう。
鉢植えでは涼しい場所に動かすことができますが、地植えでは簡単に移動させることができないので夏に直射日光が当たる場所は避けて植えましょう。
夏は明るい日陰に置きましょう。
また、カモミールは繁殖力が強く、繁茂しやすい植物です。特に夏は蒸れやすくなります。プランターでも地植えでも、苗を植え付ける時には、苗と苗の間を20〜30㎝ほど開けて植えるようにしましょう。種を土に直まきした時も、芽が出たら間引きして間隔を開けるようにします。
カモミールの水やり
ジャーマン・カモミールの水やり
ジャーマン・カモミールは、鉢土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えます。乾燥する時期は、葉水を与えてハダニの発生を予防します。
ローマン・カモミールの水やり
ローマン・カモミールは根腐れを起こしやすいので、やや乾燥気味に管理するようにします。
乾燥する時期は、葉水を与えてハダニの発生を予防します。
カモミールの肥料
ジャーマン・カモミールとローマン・カモミールの肥料には違いがあるのでそれぞれをご紹介します。
ジャーマン・カモミールの肥料
ジャーマン・カモミールは春先に一度、リン酸分の多い速効性の液体肥料を施します。
ローマン・カモミールの肥料
ローマン・カモミールは、花の収穫や刈り込みのあとに、規定の半分に薄めた速効性の液体肥料を水やりと一緒に与えます。
カモミールの植え替え
ジャーマン・カモミールは一年草のため植え替えはしません。
ローマン・カモミールの鉢植えは、根がいっぱいになりやすいので、1年に1〜2回植え替えましょう。植え替えの適期は、3月中旬〜4月と9月中下旬〜10月です。
カモミールの花が咲いたら
フレッシュなカモミールを利用したい場合は、開花したらすぐに収穫します。汚れや虫が付いていることもあるので、振り洗うようにして水洗いしておきましょう。
収穫したものを保存する場合は、ザルなどに入れて風通しの良い日陰で乾燥させます。ときどき裏返したり天日に当てたりして、十分に乾燥させましょう。フレッシュなカモミールは、パンや焼き菓子、ゼリー、シロップなどの料理や紅茶、美容にも利用できるみたいです。約1年を目安に使ってください。
いかがでしたか…。
収穫したてのジャーマン・カモミールで香り高い紅茶を淹れてみたり、ローマン・カモミールで疲れた体を癒す入浴の際に入浴剤として使うために栽培してみてはいかがでしょうか。
また、スイーツの飾りつけなど楽しみ方も様々ですね。
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