セダム万年草、乾燥に強い野草です。
セダムはそのたくましい強さを生かしてグランドカバーや屋上緑化によく使われ、環境にも良く楽しむこともできます。
そんなセダムの育て方と幅広い魅力をご紹介します。
セダムとは
セダムは、花壇苗としても流通する、ポピュラーな春秋生育型の多肉植物です。
ベンケイソウ科の多肉植物の属としては最も大きく、全世界の主に温帯から亜熱帯地域に約420種が知られています。そのうち約170種が南北アメリカ大陸に、約140種が日本を含むアジアに、約100種がヨーロッパから中東、アフリカに分布しています。
国内で一般的に流通する種類は耐寒性や耐暑性に優れていて、性質が強健なものが多いです。また、都市部での屋上緑化などにも使われる品種もあります。
セダムの種類
- セダム・アクレ
緑色のマット状に群生します。斑入りの品種も流通します。
- セダム・アルブム‘コーラル・カーペット
低温時に赤紫色に紅葉する品種です。夏場は緑色に戻ります。
- 玉すだれ
茎が長く伸びて下垂するので、ハンギングバスケットなどで育てると良いです。
- 虹の玉
多肉植物としては代表的な存在です。霜さえ避ければ寒さにも比較的強く、紅葉色も鮮やかです。
- 八千代
乙女心に似るが、緑色が強いです。発根や生育は遅いが、葉が落ちにくく茎も太いです。
- ミセバヤ
日本原産の落葉種で、秋に咲く濃ピンク色の花が美しいです。中斑の品種も出回っています。
- セダム・スアベオレンス
茎立ちせず、地際で真っ白いロゼットを形成します。花が咲いていないとエケベリアのようにも見えます。
- ミドリレンゲ
茎立ちし、暑さ寒さに強いです。冬はオレンジ色に紅葉しますが常緑性で、屋上緑化などにも利用されます。
セダムの栽培環境
セダムは日当たりが良い環境を好む植物です。主に3月〜6月ごろの春と9月〜11月の秋が生育期です。休眠期は夏と冬です。
一般的に流通する種類は耐寒性や耐暑性に優れていますが、高温多湿には弱いことが特徴で雨が当たる場所や夏の暑い時期には、気をつけて育てましょう。
雨に当たったり、夏場は暑い場所に長時間放置してしまうと枯れる原因になります。
秋ごろになったら日当たりの良い場所に移動させましょう。
セダムを育てるのに適している気温は0℃から25℃です。
セダムの水やり
春と秋の生育期には土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
休眠期に土が湿りすぎていると根腐れを起こすことがあるので水やりは控え、雨も当てないようにします。
セダムは葉に水をため込む性質を持つ植物で過湿には弱いです。
セダムを地植えしている場合は、自然に振る雨水のみでも十分なため、水は与えなくても問題ないのですが鉢植えで育てる場合は、定期的に水を与えましょう。
また、季節や時期によって与える量は異なります。
生育期の水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりと水をあげます。
セダムは乾燥に強く、水をあげなくても育ちやすい植物ですが、生育期はたっぷりと水を与えましょう。
夏の水やり
休眠期は水やりを控えめにし、乾燥気味に育てるのがポイントです。
休眠期は生育期と比べると根が水を吸わないため、水を与えすぎてしまうと根腐れの原因となる他、葉が落ちやすくなります。
休眠期はほとんど断水状態にして、やや葉の表面に張りがなくなってきたら水を与えるようにしましょう。
冬の水やり
冬は霧吹きで水を拭きかける程度で良いでしょう。
冬は休眠期に入るため、水を与える必要はありません。
夏の洋種と同様に水やりを控えて乾燥気味にし、月に数回だけ少し湿らす程度で大丈夫です。
セダムの肥料
セダムは比較的に成長が早く、種類によってはどんどん大きくなることもあるので基本的には肥料は必要ありませんが、それでも成長を施したい場合は春と秋の生育期には緩効性化成肥料か液体肥料を少量施します。
グランドカバーや屋上などの緑化用植物として
メキシコマンネングサ、マルバマンネングサ、キリンソウ、ミセバヤ
などのセダムがよく使われます。
セダムはとても丈夫でメンテナンスも簡単。その「強さ」を生かしてグランドカバーや緑化に役立つうえに、セダムのもう一つの持ち味である「繊細な美しさ」を生かすとかわいらしい寄せ植えやリースを作ることもできるので、本当に優れものです。
セダムを地植えすると増えすぎて困る?
セダムは、地植えにしても鉢植えにしても、育てやすく人気のある多肉植物の一種です。地植えにする場合、繁殖力が強く、増えすぎる可能性がありますが、対処法や注意点を守ることで管理することができます。
セダムが増えすぎたときの対処法
まず、セダムが増えすぎた場合の対処法ですが、以下のような方法があります。
間引きする
増えすぎた株を減らすことで、株を薄めます。この際、生育力の弱い株や病気にかかった株を取り除くことで、健康な株を残すことができます。
移植する
増えすぎた株を移植して、新しい場所に植えることで、スペースを確保することができます。ただし、新しい場所の環境に適した栽培条件が必要です。
広いスペースを確保する
セダムは、地植えにすると増えやすくなりますので、広いスペースを確保することが必要です。また、他の植物との距離も適切に取るようにしましょう。
まとめ
セダムは春と秋が生育期。水やりの頻度は、季節によって変える。
高温多湿には弱いため、真夏や雨の日の湿気には要注意。
セダムの種類によってはグランドカバーになってくれるほどの成長をするものもあるので、肥料などを利用して成長を調整する。
セダム類は乾燥に強く、繁殖力が大きく、薄い土壌で生育でき、軽量で風に強い緑化ができます。ローメンテナンス、ローコストの緑化の代表ともいえるでしょう。
セダムの育て方はそれほど難易度が高くないため、初心者にもおすすめです。セダムには安いミニサイズのものもありますから、迷っている方はミニサイズのものからトライしてみてください。
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